2026年改訂版コーポレートガバナンス・コード「すでに対応に着手している」企業は約2割にとどまる~コーポレートガバナンス実務における属人化・体制整備に課題~

株式会社LegalOn Technologies(本社:東京都渋谷区、代表:代表取締役 執行役員・グループ CEO 角田 望、以下:LegalOn Technologies)が提供する、コーポレートガバナンス・プラットフォーム「GovernOn(ガバオン)」( http://legalontech.com/jp/governon )は、グループガバナンスをテーマとしたセミナーの参加者を対象に、2026年改訂版コーポレートガバナンス・コードへの対応状況や、取締役会・株主総会などの運営業務における課題に関するアンケート調査を実施しました。

■調査サマリー

 ・2026年改訂版コーポレートガバナンス・コード改訂への対応方針が決まりきらず、着手している企業が少ない。

   42.9%が「対応の要否を検討中/わからない」と回答。「すでに着手している」は2割強。

 ・日常のコーポレートガバナンス実務では、「属人化」が大きな課題になっている。

   取締役会・株主総会などの運営業務について61.6%が「属人化」を感じている。

 ・書面決議や議決要件確認には、実務上の負担が残っている。

   対象業務に携わる回答者の47.1%が、「手間や不安を感じる」ことがある。

 ・コーポレートガバナンス業務へのデジタル化やAIによる実務支援への関心も広がっている。

   コーポレートガバナンス業務へのデジタル・AI活用について43.6%が前向きと回答。

■調査実施の背景 

2026年7月21日、2026年改訂版コーポレートガバナンス・コードが公表されました。今回の改訂では、形式的な対応にとどまらず、各社が原則の趣旨・精神を踏まえて自社のガバナンス上の課題を検討し、自律的・実質的な対応を進めることが改めて重視されています。また、上場会社が特に注力すべき点を明確にするため、従前の補充原則を再整理し、ガバナンスの中核となる箇所を原則に格上げする一方、重複する箇所等を削除する「プリンシプル化」「スリム化」が行われました。また、同日に金融庁が公表した「取締役会の機能強化の取組みに関する事例集2026」では、取締役会の機能強化に向けて、取締役会の在るべき姿を不断に検討することに加え、取締役会を支える部署である取締役会事務局の機能強化などの重要性が示されています。取締役会が実効性のある議論や意思決定を行うためには、制度や規程を整備するだけではなく、必要な情報を適切に集約・共有し、会議の準備や決議、決定事項の実行までを継続して支えられる体制が必要となります。
そこで今回、ガバナンス実務に関心を持つセミナー参加者を対象に、2026年改訂版コーポレートガバナンス・コードへの対応状況に加え、取締役会・株主総会運営の属人化、書面決議書の作成や議決要件確認における負担、デジタル・AI活用への意向について調査しました。

2026年改訂版コーポレートガバナンス・コード「すでに着手している」は2割強にとどまる。4割超が「対応の要否を検討中/わからない」

 

2026年改訂版コーポレートガバナンス・コードへの対応状況を尋ねたところ、「すでに対応に着手している」は22.2%、2割強にとどまりました。「対応の要否を検討中/わからない」が42.9%で最も多く、「対応を検討中」は25.6%、「まだ着手していない」は9.4%でした。「対応を検討中」と「すでに対応に着手している」を合わせると47.8%となる一方、4割以上が対応の要否そのものを検討している、または判断できていない状況です。

2026年改訂版コーポレートガバナンス・コードの公表を受け、自社に必要な対応を見極めている回答者が多いことが分かります。

■ 取締役会・株主総会運営、61.6%が「属人化している」と回答

取締役会・株主総会などの運営業務について、「やや属人化していると感じる」が45.3%で最も多く、「非常に属人化していると感じる」の16.3%と合わせると、61.6%が属人化を感じていると回答しました。一方、「あまり属人化していると感じない」は19.7%、「属人化していると感じない」は18.7%で、属人化を感じていない回答は合計38.4%でした。

取締役会・株主総会の運営では、資料準備や議事録、決議書の作成など、過去の経緯や社内ルールを把握したうえで進める業務も多くあります。今回の結果から、取締役会・株主総会などの運営業務が、特定の担当者の知識や経験に頼っている状況が見られます。

■書面決議・議決要件確認、実務担当者の約半数が手間や不安を感じる 

書面決議書の作成や議決要件の確認業務について、手間や不安を感じることが「ときどきある」が28.9%、「よくある」が18.2%となり、合わせて47.1%が手間や不安を感じることがあると回答しました。一方、「あまりない」は41.3%、「ない」は11.6%でした。

書面決議には、決議内容に応じた文面の作成だけでなく、議決要件の確認や過去の議事録・決議内容の参照など、正確性が求められる確認作業が発生します。約半数が何らかの手間や不安を感じているという背景には、こうした確認の負荷があると考えられます。ガバナンス実務を支える体制や情報基盤の整備は、今後の検討課題の一つになると考えられます。

■コーポレートガバナンス業務で進む、デジタル・AI活用の検討 

取締役会・株主総会の運営業務などのコーポレートガバナンス業務について、デジタル化やAIによる支援を活用したいか尋ねたところ、「活用したい」が17.3%、「既に活用している」が13.4%、「活用したいが懸念がある」が12.9%となり、合わせて43.6%が活用に前向きでした。一方、「どちらともいえない」が53.5%と最も多く、「活用したくない」は3.0%にとどまりました。デジタル・AI活用に前向きな回答が4割を超える一方、過半数は判断を保留しています。ガバナンス業務におけるデジタル・AI活用について、具体的な活用方法や懸念点を含め、活用を見極めている段階にある回答者も多いことが分かります。

■ガバナンスの実効性を支える鍵は、日常の運営体制に 

今回の調査からは、2026年改訂版コーポレートガバナンス・コードへの対応を検討するだけでなく、日常のガバナンス実務を継続的に支える体制づくりも重要な課題になっていることが見えてきました。取締役会・株主総会などの運営業務では属人化が見られ、書面決議書の作成や議決要件の確認にも手間や不安が残っています。こうした実務を特定の担当者の知識や経験に依存させず、必要な情報を適切に管理し、会議運営や決議、決定事項の実行までを継続して支えられる環境を整えることが重要です。また、ガバナンス業務におけるデジタル・AI活用に前向きな回答も見られました。情報の集約や業務の標準化、確認作業の支援などにテクノロジーを活用することは、ガバナンス実務を安定して運営するための一つの手段になると考えます。

「GovernOn」は、グループ会社に関する情報管理から、取締役会・株主総会の運営、書面決議、決定事項のタスク管理までを一つのプラットフォームに集約し、AIを活用してガバナンス実務を支援します。LegalOn Technologiesは「GovernOn」を通じて、情報の分散や業務の属人化といったコーポレートガバナンス実務の課題を解消し、日常の業務として継続的に運営できるコーポレートガバナンス体制の構築を支援してまいります。

■調査概要

調査対象: LegalOn Technologiesが開催したグループガバナンスに関するセミナー参加者

調査方法: Webアンケート

調査日: 2026年7月30日

回答者数: 218名  

※設問によって有効回答数が異なります。また、構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります 。

※本調査は、弊社開催セミナーの参加者を対象に実施したもので、国内企業全体の傾向を示すものではありません。

■「GovernOn」とは( URL:https://www.legalontech.com/jp/governon

「GovernOn」は、企業およびグループ会社に関する法的情報の管理、会議体の運営、決議・承認プロセス、タスクや期限の管理など、ガバナンスに関わる業務をワンストップで完結できるAIプラットフォームです。2025年10月にM&Aによってグループに迎えたFides Technologyのコーポレートガバナンスソリューションを、日本企業の要件を反映した形で刷新し、日本向けに「GovernOn」としてリリースします。本ソリューションは、北米・欧州を含む世界100以上の国と地域において、日本企業グループや金融機関を含む幅広いユーザーに利用されてきた実績を基盤に、日本の法制度および企業実務に即した機能強化を行っています。