リーガルオペレーションズ研究所の定例会(4回目)開催報告
2025年7月10日、リーガルオペレーションズ研究所の第4回定例会が開催されました。
今回の定例会では、「日本版Legal Operations CORE 8」についての理解を深めるとともに、現代の環境への適合性や評価項目の妥当性・統一性について議論が行われました。
「日本版Legal Operations CORE 8」は、2021年に有志によって立ち上げられた日本版リーガルオペレーションズ研究会により策定されたものです。日系企業の法務部門のオペレーションを評価するためのフレームワークです。8つのCoreで構成されており、それぞれに3段階(レベル1~3)の成熟度が設定されています。
定例会では、各Coreに対する評価や位置づけ、生成AIの登場による見直しの必要性などが議論されました。特にCore3の「マネジメント」は中小企業や一人法務には必ずしも課題とならない点や、「ナレッジマネジメント」「テクノロジー活用」は他のCoreとは性質が異なり補完的な役割であるといった見解が共有されました。また、生成AIの影響を十分に反映できていない点も課題として認識され、今後はテクノロジー活用がすべてのCoreに関わる要素として統合されるべきという意見も出されました。
さらに、実務での活用を促進するためには、各Coreの優先順位や企業規模ごとの適用指針、具体的なプレイブックの整備が求められているとの意見もありました。Coreの根本的な変更ではなく、現場のニーズを反映した形での運用支援が期待されています。
今回の定例会は、「日本版Legal Operations CORE 8」の更なる実践的活用を通じて、日本企業の法務部門のオペレーションの高度化と標準化を進めるうえで、貴重な知見と課題意識を共有する機会となりました。
引き続き、リーガルオペレーションズの研究を通じて、企業法務の新たな価値創造と業務効率化に資するオペレーションモデルの構築を目指してまいります。
「日本版Legal Operations CORE 8」参考URL:https://wp.shojihomu.co.jp/jlo_core8event
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